自動化装置や精密機械の設計において、ボールねじは高精度な直線運動を実現するための中核部品です。しかし、C3、C5、C7といった異なる精度等級に多くのエンジニアが困惑しています。等級を高めすぎるとコストが無駄になり、低すぎると装置の性能に影響が出る可能性があります。本日は、適切なボールねじの精度等級を選ぶために、その等級について詳しく解説します。
ⅰ. 精度等級とは何か? 数字が小さいほど、精度は高くなります。
ボールねじの精度等級は、JIS(日本工業規格)などの国際規格に基づく運動精度の定量的な評価です。主な指標は「目標移動距離誤差」であり、300mmのストローク範囲内において、実際の移動距離と理論値との間に許容される最大偏差を示します。
II. 主要な精度等級の比較と適用シーン
精密グレード | 製造プロセス | 公差(300mmストローク内) | 主な特徴 | 典型的な用途 |
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C7(転造) | が転がる | ±50 µm | 標準精度。コストパフォーマンスに優れ、市場で最も一般的 | 3Dプリンター、包装機械、一般産業用自動化装置、医療機器、電動ドア制御装置など |
C5(研削) | グラウンド | ±18 µm | 中~高精度。精度とコストのバランスが良く、業界での主流 | 一般的なCNC工作機械、射出成形機、産業用ロボット、精密測定装置 |
C3(接地) | グラウンド | ±8 µm | 高精度、高性能、良好な表面仕上げ、温度管理の要件 | 高精度マシニングセンタ、半導体製造装置、精密計測器 |
III. リードスクリューの正しい選び方!この3つのポイントを覚えておこう!
高精度を盲目的に追求するとコストが上がるだけです。以下の原則に従いましょう:
必要性に基づく:装置の位置決め精度の要求事項を決定します。3Dプリンターの場合、一般的にC7グレードで十分ですが、CNCフライス盤では少なくともC5グレードが必要です。
コストの考慮:精度が一段階上がるごとにコストは大幅に上昇します。性能を確保しつつ、最も経済的なグレードを選択しましょう。
システムの考慮事項:リードスクリュの精度は、システム全体の精度を構成する要素の一つに過ぎません。ベアリング、ガイドウェイ、サーボモーター、さらには組立工程も同様に重要です。高精度のリードスクリュであっても、品質が劣るサポートと組み合わせると、その性能を十分に発揮できません。
ボールねじの精度等級を選ぶ際は、性能とコストの両面で適切なバランスを取ることが賢明です。
基本的な用途にはC7を選択:経済的で手頃な価格です。
産業規格向けにはC5:正確かつ信頼性が高いです。
最高の精度が必要な場合はC3を選択:比類ない正確さを実現します。
本ガイドが、複雑な選定プロセスを理解し、次回のプロジェクトに最適な判断を下すお手伝いになれば幸いです。なお質問が残る場合は、カスタマイズされたソリューションをご提案する当社の技術専門家までご相談ください。